この記事では、火災保険の基本、補償範囲について解説していきます。
火災保険は、「火災」になった時の備えとして、マイホームを持たれている方のほとんどは何らかの火災保険に加入されていることと思います。
しかし、火災保険は「火災」以外でも様々な自然災害や損害にも適用することができます。
火災保険はかなり利便性の高い保険となっており、戸建てにお住まいの方であればほとんどの方のお役に立てるものと思います。
昨今は、大型台風や大雨などによる被害が増えておりますので、いざ被害を受けてから焦らなくて済むように、簡単に基礎を把握しておくことをオススメします。
この記事は3分程度で読める内容にしてますので、一読いただけたら幸いです。
この記事でわかること
・火災保険の補償内容の基本(台風などの自然災害にも適用)
・被害を受ける前に知っておくと良いこと
目次
火災保険の補償内容
ここからは、火災保険の補償内容について解説していきます。
火災保険の基本
火災保険とは、「火災」が発生した時に、ご自宅や所有されている建物を補償してもらう為の保険になります。
しかし、実は火災以外にも、自然災害(風災、水災、雷災、雪災、雹災)で被害に遭った場合にも保険を使うことができます。
火災保険という名前から、こういった自然災害にも対応していることを多くの方が知らずにいるのです。
火災保険の主な補償内容は下記の通りです。
補償範囲 補償内容
火災、落雷、破裂、爆発 一般的な火災による損害(失火、もらい火、放火、落雷)
ガス漏れなどによる爆発などによる損害
風災、雪災、雹災 台風、暴風雨、暴風、竜巻など強風による損害
大雪、雹による損害
水災 台風、豪雨による洪水などの損害
損傷・汚損 偶発的な事故によって損害が出てしまったもの
※補償は、機能的に支障のあるものに限る
上記のような自然災害で、ご自宅に損害が出た場合、火災保険を使って修理費用を請求することが可能となっています。
申請可能な最低金額
火災保険を請求する場合、申請できる最低金額というものが決まっています。
最低金額は20万円以上でなければなりません。
20万円以下の損害の場合、火災保険の申請をすることができないので注意ください。
※契約している内容によって、最低金額の設定がないものもあります。
逆に、最高は火災保険に加入いている補償金額の最大金額まで請求することができます。
保険金を使っても保険料は上がらない
「保険を使ってしまうと、次年度や更新時に保険料が上がってしまうのでは?」
と心配されるかもしれません。
火災保険には、自動車保険のような「等級」というものはないので、次年度の支払いで保険料が上がることはありませんので、心配はいりません。
請求権は3年
火災保険の申請期限は、損害を受けてから「3年以内」と定められています。
火災保険が使えることを知っても、「去年の台風での損害なんだよなぁ…」と諦めてしまわれる方も多いです。
しかし、3年間とたっぷり申請期限が設けられていますので、諦めずに活用できそうでしたらご検討されてみてください。
すでに自費でリフォームや修理を行ってしまった場合でも、3年以内であれば申請することは可能となっています。
地震保険との違い
「火災保険」と似た保険で、「地震保険」があります。
似た保険ではありますが、損害の発生した原因によって補償の範囲が変わりますので注意が必要です。
火災保険は、一般的な火災(失火、もらい火、放火、落雷)や風災などの自然災害による損害を補償するものですが、「地震」「噴火」「津波」による火災、損害については補償外となっています。
こういった、火災保険で補償の対象となっていない災害(自信、噴火、津波)による被害の補償を受けることができるのが、地震保険になります。
火災保険の補償内容(建物、家財の違い)
火災保険は、加入時の契約内容によって補償の内容が変わってきます。
補償対象になっている項目は、保険証券で確認することができます。
現在、被害に遭われていなくても、一度加入されている保険の内容を把握しておき、場合によっては保険の見直しも検討されても良いかもしれません。
火災保険においての補償の対象は、「建物」と「家財」にわかれています。
契約時に、「建物と家財の両方」、「建物のみ」などを選択されて契約をされています。
それぞれの補償内容については下図に例をまとめておきましたのでご参照ください。
「建物」か「家財」の判別の基準は、動かせるかどうかで判断されています。
動かせないものを「建物」、動かせるものを「家財」とされています。
ただ、動かせないものであっても、保険会社によって解釈が異なる部分もあります。
例:エアコンを家財扱いになったり、ならなかったり。
こういった微妙な部分については、契約されている保険会社へ確認された方が確実です。
火災保険の基本契約は、「建物への補償」が基本となっています。
家財については加入時に選択をしていない「補償外」となります。
近年、火災保険の申請件数は増加傾向!理由は?
下記の表をご覧いただくと一目瞭然ですが、近年火災保険の申請件数は右肩上がりで増えています。
資料出典元:損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況2018年度版」
火災保険は、上記でも解説している通り火災だけでなく、風災、水災、雷災、雪災、雹災も補償の対象となっています。
毎年のように過去最高レベルと言われる大型台風が直撃おり、台風による損害は「風災」の補償範囲で利用することができます。
また、台風に伴う大雨で河川が氾濫して起こる洪水被害などは、「水災」で補償を受けることができます。
上記グラフ中の黄色と青が件数としては増加していますが、これは台風や大雨による被害によるものと推察されます。
保険金の支払い状況に最新のデータは、10年前と比べると全体で約2倍に増加しています。
自然災害についても4倍以上の増加率となっており、自然災害による損害が増えていることがわかります。
増加率の高い自然災害は、台風や大雨による被害が多いと思われます。
台風などの強風で損害が出る例は下記になります。
★火災保険の損害事例
屋根の瓦が飛んだ(ズレて)しまった
棟板金が浮いて(外れて)しまった
雨漏りがする(天井が滲んでいる)
窓ガラスが割れた
軒天が破損した
ベランダが破損した(傾いた)
外壁が凹んだ
塀、門、車庫、フェンス、カーポートが破損した(傾いた)
など
見に覚えのあるものがあれば、3年以内であれば請求可能ですので、今一度確認されてみても良いと思います。
浸水による被害はどう補償される?
大雨時の河川の氾濫による浸水や、土砂崩れによる被害が出てしまった場合は、「水災」による補償を受けることができます。
しかし、水災は火災保険の基本的な補償項目になっておりません。
「水災補償」には別に加入している必要があります。
建物だけでなく、家財も補償項目にするかしないかを保険加入時に決めている為、火災保険の加入状況によっては、浸水による被害で補償を受けることができません。
また、水災の認定となる基準は下記の通りになります。
★水災の認定基準
再調達価格の30%以上の損害を受けた場合
※新しく建築または購入に必要な金額
床上浸水、または地盤面から45cmを超えて浸水した場合
※地盤面は家の基礎の最も低い部分を指します
こういった、認定条件も「床上浸水以上」と厳しめになっています。
玄関に水が入り込んだ場合や、床下浸水では補償を受けることができません。
補足:老朽化は請求の対象外
火災保険は、災害に対する保険になっています。
そのため、老朽化を理由にした申請では補償を受けることはできません。
しかし、築年数の経過している物件ほど、台風で損害を受けやすいのもまた事実となります。
もし、築年数の経過している建物にお住まいで台風によって建物に損害が出た場合は、老朽化が原因か、台風が原因かは判断に迷うところです。
その場合は、ご自身で老朽化と判断せず、一度専門の業者に見てもらうことをオススメします。
火災保険の補償内容:まとめ
火災保険は、火災が発生した時に補償される保険と思われがちですが、自然災害にも適応した保険になっています。
火災以外にも、風災、水災、雷災、雪災、雹災などの自然災害でも補償を受けることができます。
近年は、大型台風による被害が増加傾向にありますので、いざ被害を受けてから慌てるより、事前に基礎知識として「台風が来たら火災保険が使える」ということを認識しておくだけで、安心材料になるかと思います。
以上、この記事では火災保険の補償内容について解説させていただきました。
最後まで閲覧いただきありがとうございました。
火災保険の申請をご検討中の場合、下記よりお気軽にご相談ください。